元の会社に戻って6日が過ぎた。
なんだか相変わらずという印象である。
1か月間ご無沙汰している間に「新入社員」の採用が決まっていた。
25歳の女性である。
我輩と同じ日に「入社」した。
とりあえず、営業として日給月給で働いてもらうという。
新人はヤル気マンマンだ。
我輩は困った。
理由は簡単。
ヤル気マンマンの新人女性に対し、間違っても後ろ向きな印象を与えては可哀想だからである。
口が裂けても給料凍結の話などできない。
正直な話、よりによってこんな会社に就職しなくてもと思った。
…が。何も知らぬ新人は毎日意気揚々と出社してくる。
ところが3日目。
いやな予感は当たった。
社長が営業的な指示をまったく出さないのだ。
新人営業、しかも25歳の若い女性である。
具体的な営業方針を教えてあげなければ、どこに行って何をすればいいのか皆目見当がつかないのは当たり前である。
新人がたまらずこう言った。
新人 「あの〜社長、とりあえず外を回れって言われても、どこに行っていいか分からないんですけど」
Jenny (当たり前や)
社長 「あんた、友達が多いって言ってたやろ?」
社長 「とりあえず、その友達に売りつけなさい」
新人 「……!!!!!!」(驚いて声も出ない)
横でその会話を聞いていた我輩は腰が抜けるかと思った。
いやしくも会社を代表する取締役が「売りつける」とは何事か!
しかも大切な友人に。
社長のお粗末暴言はさらに続く。
社長 「もしその友達が商品を気に入ったら、どんどん紹介をもらってネットワークのシステムを組みなさい」
新人 「あの。ネットワークって、マルチとかそういうのですか?」
社長 「そうそう。アムエーイみたいなやつ。すぐできるやろ?」
その新人さんに、自分が「親」になってマルチのシステムを開発し、「子供」をどんどん増やせと言いたいらしい。
もうここまでくると無知を通り越してあきれ果てるしかない。
確かに社長は営業の経験はない。
だから、あまり高度な営業方針を期待してはいけないとは思う。
しかし。
社長の話はレベルが高い低いの次元ではない。
いわゆる戯言にすぎない。
社長の計算はこうだ。
25歳の新人は友達が多い。
10人くらいはおるやろ。
その10人が10人を紹介してくれたら100人の顧客ができるやんけ。
あとは楽や。じっとしとくだけで1000人の顧客に拡大するのにそう時間はかからん。
さらに。
1000人もお客ができたら生産の方が心配やな。
もし品切れでも起こしたらわが社の信用にかかわる。
社長 「あ〜。どうしよう! 」
新人 「何がですか?」
社長 「いや、わが社の生産能力がね。ちょっと追いつかないかも!」
新人 「……。」(アゴがはずれる音が聞こえてきそうな表情)
新人 「ワタシ、この仕事ちょっと自信ないかもです」
社長 「なんで。難しく考えるからイカンのだよ」
社長 「とにかくどこでもいいから売ってくればいいだけの話じゃないか!」
我輩はあえて口を挟まなかった。
議論する気にもならなかったのはもちろんであるが、新人さん自分で考えて結論を出してほしかったからである。
恐らく、新人さんは長くは続かないだろう。
当然だ。
あんなムチャクチャな営業方針では、たとえお釈迦様でも堪忍袋の緒が切れるというもの。
当然の事ながら、我輩も不安になった。
こんな会社にいつまでも在籍してていいのか?
将来はあるのか?
逃げるなら今のうち!??(失礼)
新人が帰った後、社長が我輩にこう言った。
社長 「今の若いモンは考えが甘い」
……返事をする気にもなれなかった。
社長の考え方は今の若いモンと違ってご立派ですよね〜とでも言ってやろうかと思ったが、虚しくなるだけなのでやめた。
やはり、次のステップを考えておきなさいと言う事か。
社長が鏡を見ながらこう言った。
社長 「オレ最近、顔色がどす黒くなってきたなぁ」
それはあなたが腹黒いから顔に出てきたんじゃないですか?と喉元まで出かかったが、
「きっとお疲れなんでしょうね」とかわした自分がまた好きになった。
2005年07月25日
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いいよ、いいよ!
10人が10人の紹介できれば
アムウェイは今頃、宇宙まで広がってる。
新人さんも大変そう・・・
でも、どんな面接を受けたのだろうか??
応援ありがとうっす!^^
少しずつ元気を取り戻さなきゃですねー。
>sakuraさん
今月のはじめに、その25歳嬢と社長がロイヤルホストでコーヒーを飲みながら雑談したそうですが、それが面接だったようです。(笑)